■ES細胞捏造事件をスクープするテレビ局のプロデューサーたちの苦闘を描いた韓国映画の力作。さもありなんの舞台裏をこれでもかと見せ付ける作劇の濃さに圧倒される。逆転につぐ逆転で、主人公たちは追い詰められてゆく。この作劇の濃さは橋本忍級で、見応え満点。THE WHISTLEBLOWER
2014 ヴィスタサイズ 114分
DVD
■疑惑の教授のもとで研究員として勤務していた通報者の家族の境遇などはおそらくフィクションだろうが、この研究員とその妻の追い詰められ方もよく描けている。そのおかげで劇的な説得力は万全となった。
■何故ES細胞を捏造したのか、どうやって捏造したのか、そのとき、一般の国民はどう反応するか、マスコミ首脳部はどう判断するのか、といった要素を全てぶちこんで、さもありなんな劇的展開に纏め上げた脚本は上出来で、面白すぎる。
■これを観ると、STAP細胞事件の舞台裏も透けて見えるという意義深い映画でもある。当然のことながら誰かが映画化することは予想できたわけだが、よくぞここまで熱いドラマとして成功させたものだと大いに感心した。