キングダム・オブ・ヘブン ★★☆

Kingdom of Heaven
2005 スコープサイズ 194分
DVD

キングダム・オブ・ヘブン(ディレクターズ・カット) [Blu-ray]
■十字軍に加わって中世のエルサレムに入った鍛冶屋の男は騎士としてキリスト教徒とイスラム教徒の軋轢の中に投じられる。賢明なる王ボードワン4世の没後、エルサレムサラディン率いるイスラム教徒と一触即発の状態に立ち至るが、そのときエルサレムで真に騎士と呼べるのは彼一人だけになっていた・・・
■所謂ディレクターズカット版なので3時間を超える超大作なんだけど、ドラマ的にも弱いし、表面的な映像意匠だけは独特のリドリータッチなのだが、コクが無く、正直良いところが見当たらない。主人公のバリアンの成長とか変化が描ければドラマになるはずなのに、主人公が全く魅力的でなく、冴えない。
■対するヒロインもエヴァ・グリーンの演技以前にやっぱり劇的に生かされない。兄が賢明な王ながらライ病に侵されたボードワン4世で、これを素顔を一切見せずにエドワード・ノートンがマスクで演じて、さすがに佇まいだけで他を圧する威厳を感じさせるのは見事だけど、ドラマ的にもっと深掘りもできるところを突っ込まず、中途半端。この女が何を考えているのかわからないのでドラマが盛り上がりようが無い。
リドリー・スコットの映画は案外、編集でザクザクと荒っぽく刻んでいったほうが荒削りさが生きるところがあり、本作はむしろ劇場公開版の方が良いのではないか。60年代の超大作3時間映画と比べてもスケール感では遜色が無いのに、ドラマの薄さが致命的。オーランド・ブルームも全く良いと感じない。後の『ケープタウン』ではあんなに活き活きしていたのにね。