Dawn of the Planet of the Apes
2014 ヴィスタサイズ 130分
DVD
■正直なところ、CGの猿映画なんて獣臭くて観てられないと敬遠していたのだが、監督がマット・リーブスなので観てみたよ。うーむ、さすがマット・リーブス、ただものではない。今時のどのアメリカ映画よりも正統派のアメリカ映画である。主役は確かに人間ではなく、猿たちのリーダーであるシーザーなのだ。
■ダムの再稼動のため猿たちの山に分け入り、人間が猿たちと遭遇したために、猿社会の中に過激派が誕生し、一触即発の危機状況が出来する。まるでシェイクスピア劇のような荘重なドラマが展開するという、嘘のようなホントの話。まるで舞台劇を見ているようだし、猿たちの演技に感動させられる。
■もちろん文明批評の寓意が主眼だが、猿社会のお家騒動をフルCGなのに精緻な演技で描き出すところが、まあマット・リーブスの面目躍如。CGアクションの垂れ流しにならないのも頼もしいし、この人、ホントに筋の良い人だ。
■撮影はマイケル・セレシンがアレクサで撮っているが、これは正直良くない。普通の今時のデジタル撮影のテレビドラマのようなありがちな画調で、映画ならではの工夫が足りない。デジタル機器を使いこなせていない。