ヨンガシ 変種増殖 ★★★

DERANGED
2012 スコープサイズ 109分
DVD

■新種の回虫によって集団自殺を遂げる韓国人民、発症した家族を救う為、密かに開発されていた特効薬(虫下し!)を求めてダメ親父の執念の奔走が始まる。。。
■というお話を、ホラーではなく、経済犯罪ドラマとして描いた異色作。純粋にホラーとして描くこともできる素材だが、グロ描写は必要最小限に止めながら、政府や製薬会社や警察などの群像劇として国家的パニックを描き出してゆく。まあ、パニック映画と呼ぶのが最も相応しいかも。
■実在するハリガネムシの特異な生態を人間に適用するという着想は秀逸で、なにしろ正味大型の回虫なので、下から出るか上から出るかという極めて尾籠な話を大真面目に、国家的パニックに仕上げて見せたずうずうしさに感心する。日本映画では絶対無理な手法だ。スシタイフーンのレーベルなら、ひたすら尾籠なホラーに仕上げるだろうが。
■そうした尾籠なアイディアを大真面目に、あるいは悲哀を込めて演じた主演のキム・ミョンミンが好演で、働く親父の哀しみをリアルに体現する。この人間味溢れるキャラクターのおかげで、娯楽映画としての奥行きが出ている。内田光良とか津田寛治に似てるから、日本人には親近感があるのだな。

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