リンカーン弁護士 ★★★☆

The Lincoln Lawyer
2012 スコープサイズ 119分
DVD

■やり手弁護士が引き受けた金持ちの息子の弁護は、意外な方向に展開し、依頼人の邪悪な本性が現われるとき・・・
■法廷ドラマは正直なところ食傷気味な感じもあるが、本作はちゃんと面白い。いやかなり面白い。オーソドックスなドラマらしいドラマで、近年ハリウッドでは絶滅危惧種に属する、いい意味での普通の映画である。アメコミ映画が席巻する前のハリウッド映画の主流はこうしたドラマらしいドラマだったのだが、遠い過去の話になってしまった。
■依頼人の生来の邪悪さに気づいた主人公が危機に追い込まれ、知的な反撃に転じる後半がきちんとサスペンスになっているのが偉い。職務上では依頼人を弁護しながら、同時並行して反撃の準備も進めて、いついかなる形で反撃に転じるのか、単純にハラハラさせる。この単純なハラハラ感が映画を観る醍醐味ですね。
■元妻であるマリサ・トメイとのイチャイチャ感も微笑ましいので、マシュー・マコノヒー演じるやり手弁護士が単に金の亡者ではない人間性を醸し出すようになっており、後半の感情移入に大いに役立っている。マリサ・トメイの見せ場が案外少ないのが残念なところだが。