POV 呪われたフィルム ★★

POV?呪われたフィルム?<Blu-ray>
POV 呪われたフィルム
2012 ヴィスタサイズ 92分
DVD
脚本■鶴田法男
撮影■佐々木雅史 照明■石川真也
音楽■白石めぐみ
監督■鶴田法男

■POV形式によるモキュメンタリーですが、正直なところ今更鶴田法男がそんな企画に手を出さなくても、とその一言に尽きる残念作。鶴田法男は職人監督として製作側のオーダーを忠実に守っているし、それでいて終盤にはホントにやりたかったことはこれなんだよ!というアイディア賞のツイストを盛り込んではいるので、決して不快な映画ではないのだが、そこに到るまでのドラマ、怪異描写には、正直あくびが出る。というか、大人の鑑賞に堪えない。
■そもそも低予算であるホラー映画の中でも、ある意味底が抜けたともいうべき超低予算スタイルがPOスタイルであるが、そんなもの一時だけの際物に過ぎないので、大の大人が付き合う代物ではない。
■本作も川口春奈の母校という設定の中学校に潜入して、昔自殺した放送部の女生徒が実は学校に巣食う悪霊たちと交信していたらしいという魅力的な大ネタを掘り当ててゆくのだが、そこまでの怪異描写はかなりステロタイプだし、大きな音でこけおどしが何度も繰り返されて、あまりにも工夫が無い。普通にサスペンスを効かせてドラマ化した方がアイディアが栄えると思うがなあ。川口春奈が意外に演技派なのはいいとして、志田未来の華の無さは観ているほうが心配になるほどだ...
■もともとのオーダーがそうした若年層向けの流行の低予算ホラーというパッケージなのはわかるが、東宝映像事業部(東宝映像じゃないよ)の配給ということもあり、日本映画の未来が心配になる低空飛行ぶり。
■制作はFILM。

© 1998-2024 まり☆こうじ