イノセント・ガーデン ★★★

STOKER
2013 スコープサイズ 99分
TOHOシネマシャンテ

Stoker
■父親を事故で亡くした娘のもとに、父親の弟を名乗るイケメンが現れ、母親を含めた三人の生活が始まるが・・・
韓国映画界の鬼才、パク・チャヌクのハリウッドデビュー作なのだが、どうも小手先のテクニックに流れがちで勿体無いなあと感じた。特に導入部分については、なにやら勿体つけた映像テクニックを総動員で、逆になかなかドラマに入ってくれない。ある意味、シンプルなお話なので、さっさと本題に入って、サスペンスを積み上げていけば良いのに、何を出し惜しみしているのやらという印象だ。
■実際、インモラルな物語の骨格はヒッチコックの『疑惑の影』の影響が大きいと思うし、にっかつのロマンポルノの中にも似たようなお話はいくつもあったはずで、特に目新しいものではない。ゆえに細部に拘った演出を志向したのだろうが、ドラマを丁寧に描けば、十分に面白いはずですよ。じっくりとサスペンスを醸成すればいいのに、奇抜なことをやらないと観客が退屈すると思い込んでいるのは、商業映画界の悪い癖だ。
■二コール・キッドマンはすっかり岩下志麻的な役どころで、女優としての貫禄と美貌は磐石。でも、もっとエロい見せ場があっても良かったはず。何やら秘密のありそうな怪しい叔父さんをマシュー・グッドが好演している。

© 1998-2024 まり☆こうじ