天地創造 ★★☆

THE BIBLE...IN THE BEGINNING
1966 スコープサイズ 175分
DVD

旧約聖書の創世記から、天地創造、アダムとイヴ、失楽園カインとアベルノアの方舟までが前半、後半はバベルの塔アブラハムの物語となっている。とにかく20世紀フォックスのソフトは昔から画質が悪いので有名だけど、これも例外ではなく、暗い場面は黒つぶれするし、発色も悪いし、画面はざらついている。せっかくの超大作が勿体無いことだ。ブルーレイはさすがにこんな画質ではないと思うが。
■端的に言って典型的に冗長な3時間映画で、ノアの方舟の巨大セットやバベルの塔のバカでかい建造物には圧倒的な迫力があるが、映画的にうまく使いこなした感じも無く、どーんと作ってみましたで終わり。ドラマ的には後半のアブラハムの部分が見所で、ジョージ・C・スコットが神様自身も恐れ入るほどの信仰心を見せる一徹な頑固者アブラハムを演じて、やはり説得力がある。クライマックスは息子のイサクを神にささげようとする場面で、スペクタクルとは無縁の家族劇で締めくくるところはある意味凄い。
■本作を見ると、ユダヤ教キリスト教イスラム教の共通の神の異様さがよくわかる。とにかく意地が悪く、すぐに呪ったり、何かといえば契約を持ち出したり、非常に狭量で大人気ない。人間を作ってみたけど、意にかなわないと水に流してリセットしようとするし、すぐに人間の心を試そうとするし、どこが全知全能の神なのか理解に苦しむ。むしろ試行錯誤の連続ではないか。全く人間のことが分かっていないのだ。多分、人間同士よりも、人間に対する不信感が強いのだ。ここでは、神様は人間に対して良さげなこと、気の利いた風なことは全く一切言わない。対して『キング・オブ・キングス』のナザレのイエスは、そんな厄介な子供っぽい存在である神から、人心を惹きつける気の利いたいい話を大量に引き出してみせた。でも本作を見る限り、旧約聖書の神様はイエスの言うようなことは全然考えていないと思うよ。

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