花のあと ★★☆

花のあと
20102 ヴィスタサイズ 107分
DVD
原作■藤沢周平 脚本■長谷川康夫飯田健三郎
撮影■喜久村徳章 照明■長田達也
美術■金田克美 音楽■武部聡志
監督■中西健二

■デスティニー制作の藤沢時代劇シリーズはどうもハズレが多いのだが、本作もハズレの部類だなあ。いわゆるデスティニー・クオリティ。中盤まではなかなか期待できるかもと思わせるが、クライマックスの殺陣はやはり気が抜けて見えるし、ラストの一青窈の主題歌を延々と聞かせるPV部分はこのシリーズの悪いお約束で、苦痛でしかない。一青窈は好きだけど、映画としてこれはダメでしょ。商売気を出すのもほどほどにすべきだ。

■京都の映画人はかかわっていないようだが、ベテランスタッフぞろいなので、大作ではないものの、クオリティは高い。その意味では安心して観ていられる良心作なのだが、ラストのチャンバラにはもう少し工夫が必要だろう。北川景子市川亀治郎を倒すために鮮烈な何かが必要なのだ。その意味で、平山秀幸の『必死剣鳥刺し』(これはデスティニー制作ではない)はほんとによく出来ていたと思うよ。

北川景子は初々しさが感じられて悪くないが、殺陣の動作に切れが無く、剣の遣い手には見えない。悪役で登場する市川亀治郎はさすがに安定した演技を見せ、周囲の時代劇慣れしていない面々と並ぶと格の違いが歴然。甲本雅裕北川景子の許婚を演じるが、非常に上手いので驚いた。

■製作はバンダイビジュアル ポニーキャニオン テレビ朝日ほか、制作はデスティニー。

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