イップ・マン 序章 ★★★☆

葉問
2008 スコープサイズ ?分
DVD

イップ・マン 序章 [DVD]
日中戦争によって人生を引き裂かれる武術の達人たちの姿を痛快かつ苦く綴った活劇の問題作。ドニー・イェンは好演するが、クライマックスは相手役が池内博之なので、十分にアクションの凄さをアピールできないのは残念ポイント。池内博之も頑張っているけど、損な役回りで気の毒な感じ。ドニーさん独壇場の殺人拳(詠春拳がそうなのかは知らないが)を堪能できるのは日本軍の柔道家たちをなぎ倒す場面。ここはいつものドニー節炸裂で凄いです。
■日本軍の侵略によって惨めな人生に没落してゆく武術家や元警官たちの人生を苦々しく描く筆致に含意があり、監督のウィルソン・イップの多才さを感じさせる。『導火線』とは作風が大きく異なるからね。各脇役たちのエピソードもにも案外力が入っているところがこの映画の真面目なところで、侮れないところだ。
■北から流れてきた荒くれな武術家を演じるルイス・ファンという男優が豪快な演技で魅力的だ。ちょっと大葉健二を思わせる風貌で、陽性な豪快さがある。

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