導火線 ★★★☆

FLASH POINT
2007 スコープサイズ 87分
DVD

ドニー・イェン主演の刑事アクションだが、例によって、ドニーさんはドラマの中心ではなく、あくまでアクション担当という立ち位置。でも、最終的にはアクションで大活躍して、全てを自分中心に回収する。それがドニー・メソッド。本作はアクション監督も担当しているので、ドラマなんてやってる暇無いというのが実情だろうか。

■ドニーさん、アクション控えめだなあと思っていると、クライマックスでこれでもかという延々と続く大アクションを見せてくれる。カンフースタイルではなく、総合格闘技を取り入れたアクション演出で、本当に痛そう。ドニーさんのアクションには舞踏的要素も多少は残っているものの、本気で殺そうとしている殺気が漲っていて、怖い。ウィルソン・イップの演出もそれを隠そうとはしておらず、はっきりと刑事による暴行致死を痛みとして描く。

■ウィルソン・イップの演出家としての腕も見もので、アクションだけでなく、サスペンスで見せようとする姿勢は頼もしい。実際、ドニーさんの大アクションは終盤まで無いので、そこまではサスペンスで引っ張ってゆく。さらに、草むらでの姿が見えないサスペンスを生かした銃撃戦も斬新な見せ方でなかなか凄い。

■ドニーさんは着ているものを脱ぐたびにハイパー化するという愉快なアクション演出で度肝を抜く。何しろ、パンチを繰り出す前に勢い余ってコブシがぐるぐる回るという漫画みたいな振り付けをホントに見せてしまう。ドニーさん凄すぎて、ちょっと怖いです。

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