マリリン 7日間の恋 ★★★☆

MY WEEK WITH MARILYN
2012 スコープサイズ 100分
Tジョイ京都(SC11)

マリリン・モンローのことはほとんど知らないし、実は映画もほとんど観ていないのだが、この映画はそれでも十分面白い。ローレンス・オリヴィエが監督主演した『王子と踊子』のパインウッド撮影所での撮影舞台裏で秘密の恋が進展していたという実話!の映画化。おもろいわー

■なにしろ、出てくるのがローレンス・オリヴィエ、その妻のヴィヴィアン・リー、名キャメラマンジャック・カーディフ(これはほんの少し)等々という有名映画人たちで、撮影の遅れにカリカリしているローレンス・オリヴィエなんて最高に可笑しいし、映画に愛されたモンローに嫉妬するヴィヴィアン・リーなんてのも最高。

マリリン・モンローの恵まれない生い立ちが少しずつ語られ、本当に愛することを知らなかった哀れな女としてのマリリンが形作られる。薬やメソッド演技や取り巻きたちに囲まれて、不安定な精神状態をなんとか支えてかつかつの女優人生を歩む様子がよく描かれている。さらに、幼少期の愛情の欠如からくると思われる一種のパーソナリティ障害も示唆され、ひとりの女性像としても興味深い。

■ただ、終盤が割りと単純なラブロマンスに終始するのは勿体無い。非常においしい役を演じるジュディ・デンチをもっと最後に絡ませて締めくくるべきと思ったぞ。

■しかし、こうしたジャンルは日本映画では全く手足の出来ないものなので、ほんとに悔しいね。唄も踊りも楽曲も最高に楽しく、そして儚い。

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