リアル・スティール ★★★☆

REAL STEEL
2011 スコープサイズ 128分
T-JOY京都

アメリカ版「ロボコン」は、さすがにハリウッド映画の底力を見せ付ける快作。CGの凄さは言うまでも無いが、シンプルで燃える脚本の構築も上手い。

■特に、天才子役ダコタ・ゴヨがノリノリで演じる中盤のファイトシーンの痛快さは特筆に価する。これぞ、アメリカンな高揚感の典型といえるだろう。とにかく、金にも女にも色気にも権力にも全く屈しないダコタ・ゴヨの男前っぷりは、圧巻のかっこよさ。子供ならではの何者も省みない無敵さには涙が出るほどだ。

■一方、クライマックスを燃え上がらせるのがヒュー・ジャックマンで、こちらはダメ親父の烙印を自らに課した、めんどくさい大人だが、最後の最後に男の印を息子に見せ付ける。ダニー・エルフマンがちょっといつもとは異なるスコアを聞かせて、散々盛り上げてくれる。ちょっと残念なのは、ヒュー・ジャックマンを見守る師匠の娘役のエヴァンジェリン・リリーに、いまひとつ情の深さが感じられなかったこと。

■原作はリチャード・マシスンの短編だが、大幅に改編したので、短編小説の風味は残っていない。しかし、実に上手い改変だったと思う。配役も大成功だし、ハリウッド映画らしい横綱相撲だ。文句なし。

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