めぐり逢い ★★★☆

AN AFFAIR TO REMEMBER
1957 スコープサイズ 115分
DVD

めぐり逢い [Blu-ray]
レオ・マッケリー監督の、ハリウッドの古典的メロドラマだが、ちゃんと見たのは今回が初めて。DVDは当然スコープサイズで収録されているが、画質的には今ひとつで、せっかくのハリウッド全盛期の贅沢な画作りが十分に再現されていない気がする。ブルーレイで観れば、もっとピカピカなのかなあ。一番問題なのは、ケーリー・グラントの顔色の表現だと思うが。
■ドラマのほうは、もういたって悠々とした語り口で、生死の境を彷徨ったり、貧困に落ち込んだりしても、いたって快活で明るい。リアリズムとは無縁の人間描写なので、戸惑うところもあるのだが、終幕にくると、作劇の密度が急上昇して、誰しも感動に涙するという名シーンが登場する。
レオ・マッケリーの演出は、ハリウッド的な経済効率優先の語り口ではなく、もっと泰然自若としている。巨匠ならではの境地というべきか、えげつなさとかあくどさといった通俗娯楽につきものの傾向がまるで見られない。メロドラマなんて、その最たるもののはずなのに!

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