吸血少女対少女フランケン ★★★★

吸血少女対少女フランケン
2009 ヴィスタサイズ 85分
DVD
原作■内田春菊 脚本■友松直之
撮影■Shu G. 百瀬 照明■太田博
音楽監修■Blood-Stained Fellow 美術■福田宜
VFXスーパーバイザー■鹿角剛司 アクション監督■カラサワイサオ
クリーチャー・デザイン、特殊造形監督■西村喜廣
監督■友松直之、西村喜廣

■エクセレントフィルム製作の残酷流血風味のラブコメ映画。学園ラブコメという枠がうまく機能しており、お馴染みのなんでもありテイストがすんなりと納得できる。そして、川村ゆきえの堂々たるアイドル映画になっているので驚く。「片腕マシンガール」以降の海外市場向け”噴血映画”シリーズの中では、最高傑作である。正味80分の中に無駄なく登場人物が組み込まれ、ちゃんとそれぞれに見せ場もあるし、クライマックスは東京タワーでの対決という大盤振る舞い。低予算映画だが、娯楽の仕掛けに対する心意気はハリウッド大作に引けを取らない。

■本作は脚本と演出に友松直之が加わっているところがキモで、アイドル映画としての成功と、短尺のなかでの見せ場のバランス感覚は、彼によるものだろう。といっても、友松直之の映画は実質的に初めてなので、確証はないのだが。

■なにしろ、クライマックスは東京タワーで「キングコングの逆襲」レベルの(?)大活劇を見せるのだから、VFXは大活躍で、アクションと特殊造形のボルテージがぐんぐん上がってゆくカタルシスは低予算映画の枠を完全に超えている。ことに、乙黒えり演じる少女フランケンの変形は圧巻。ラストの巨大クリーチャーまで、サービス満点。

■まあ、流血ならぬ墳血シーンはおなじみの西村映造テイストなので、今回は川村ゆきえが可愛く、凛々しく撮れていれば成功なのだが、その点に関しては、やっぱり満点だな。

© 1998-2024 まり☆こうじ