パラサイト・バイティング 食人草 ★☆

THE RUINS
2008 スコープサイズ 90分
DVD

■メキシコの密林に隠された遺跡を観光気分で訪れた若者たちが、原住民に包囲されて遺跡に閉じ込められる。そこには謎の食人草が繁殖しており、彼らの生き残るための過酷な戦いが始まる・・・
■という、モンスター映画の類かなと期待して観たのだが、実は非常に陰惨なサバイバル映画で、仲間の足の切断手術を医学生が行ったり、狂った女がナイフで自分自身を切り刻んだり、という何が見せたいのか意図不明な変な映画。メイキングもそうした気色悪い特殊メイクばかり扱っているので、そういう趣旨の映画だったらしい。しかし、撮影はダリウス・コンジが担当、映像の彫り込みはさすがに凝っており、特に照明は非常に厳密に計算されている。
■食人草といっても、その辺に生えている普通の蔦が、もぞもぞ動いて血吸いますよといった程度で、しかも、その存在に登場人物たちはあまり驚きもせず、ドラマ的には完全に脇役。ワニとかクマとか、凶暴な野生動物程度の扱いで、吸血植物キャラクターの哀しさを感じさせる。花が振動して電話の音や人の声を真似するというアイディアは楽しいのに、まったくドラマ的に生かされない。
■遺跡というのがピラミッド状なのだが、これもなんとも雰囲気のない代物で、怪奇映画的な情緒もないし、秘境ものの雰囲気もない。ただバカなアメリカの若者たちが次々に血まみれで無残に死んでゆくだけという話。あほか。