アンノウン ★★★

UNKNOWN
2011 スコープサイズ 113分
ユナイテッドシネマ大津

■「エスター」で男を上げたジャウマ・コレット=セラの新作でダークキャッスル製作だが、純粋なサスペンス映画だ。しかも、主演がリーアム・ニーソンなので、最後は男同士のどつきあいだ。期待を裏切らない男騒ぎのアクション映画だ。というか、いまどき珍しいエスピオナージものか。スパイじゃないけど。

■なかなかよくできた映画で、ジャウマ・コレット=セラの流れるようなストーリーテリングはここでも健在なので、満足はできるのだが、終盤の展開には色々と疑問とか注文とかが残るよ。せっかく嫁さん恋しで引っ張っておきながら、あの結末はもったいないよ。妙に晴れ晴れとしたラストシーンもどうなのか。倫理的に腑に落ちない気がするよ。

ジャウマ・コレット=セラはサスペンスをサラッとした手つきで軽快に見せる部分はいいのだが、アクション場面は編集者に任せているのか、昨今のハリウッド映画のアクション編集の悪い癖が全開で、ちっともアクションの醍醐味が伝わってこない。おっさん同士のどつきあいの肉体感が細切れの編集のせいでひたすらサラサラと流れていく。違う、違うんだよ。カーチェイスシーンにしても、少し前に見た「ファースター 怒りの銃弾」の方が演出も編集も数段優れている。編集はティム・アルヴァーソンという人だが、なんだかなあ。


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