塔の上のラプンツェル ★★★

TANGLEDA
2011 ヴィスタサイズ 101分
ユナイテッドシネマ大津(SC4)

塔の上のラプンツェル 3Dスーパー・セット [Blu-ray]
■日本語吹き替え版、しかも3Dで鑑賞。3D映画は初体験なのだ。案外眼は疲れないし、別に気分が悪くなることも無かったが、どうも自分の眼は3D視には向かないようで、飛び出してくる映像がすべてボヤボヤで、像を結ばない。その意味では3Dの面白みは感じないが、むしろ静かなシーンでの映像の奥行はちゃんと再現されるので、なるほど3Dの意義は感じられた。しかし、普通の2D映像でクリアな映像を観た方が、脳内にはきれいな3D映像が再構築されると思いますよ。ギミックとしての面白さとか、映像技術自体に関する興味としては体験する価値はあるが、映画の表現としてどれほどの意味があるのかは、やっぱり疑問だ。
■ディズニーアニメ王道の物語を、手描きアニメではなく、CGアニメとして制作したものだが、背景の緻密な作りこみやキャラクターの表情の描写にCG技術の凄さをみてとることができる。吹き替え版は、中川翔子が非常に上手いし、継母役に実力派の剣幸を豪華に配役しているから歌唱シーンは鳥肌もの。ミュージカルとしての愉しさは保証できる。
■しかし、脚本としては疑問が多い。あまりにも安直に夢を見ることが賞揚され、ヒロインのラプンツェルは最初から最後まで不動の活発さと利発さを発揮して、劇中なにも成長しない。ディズニー本体制作のアニメとしては、「ボルト」とか「プリンセスと魔法のキス」のような批評性が感じられず、ジョン・ラセター製作総指揮らしいアクション場面の巧さとか、アラン・メンケンの楽曲の良さも、十分に生かされていない気がする。作劇としては、ラプンツェルが徐々に開かれてゆく様を見せないといけないはずなのだが、塔の上に住んでいる彼女は何故か最初から解放されているのだ。まあ、塔の中の生活をミュージカルで見せてゆくので、どうしても楽しそうに見えてしまう現象が生じているわけだが、それは誤算だったのではないか。

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