古都
1963 スコープサイズ 133分
DVD
原作■川端康成 脚本■権藤利英
撮影■成島東一郎 照明■佐野武治
美術■大角純一 音楽■武満徹
監督■中村登
■予告編でソルのギター曲「魔笛の主題による変奏曲」が使われているので、本編でもどこかに流れるのかと思いきや、全編武満徹ががっつり作曲しているので、全く登場しません。あれは予告編のみの演出だったのだ。ということは、助監督の思いつきということか。
■岩下志麻の一人二役を見事な合成カットで描くのだが、成島東一郎のキャメラは、確かに凄いよ。合成の仕上がりもほとんど完璧だし、なにより、カット割りが素晴らしい。カットのぶつかり合いや、なだらかなカットの繋がりで見せる映画というものが、すっかり絶滅してしまった気がする。
■冒頭の西陣近辺の情景を表現する俯瞰気味の様式的なカットとモンタージュはほとんど市川崑なのだが、意識的に真似たのだろうか。