『蘆江怪談集』

蘆江怪談集 (ウェッジ文庫)

蘆江怪談集 (ウェッジ文庫)

■こんな本が出ていることすら知らなかったのだが、ブックオフで偶然に入手した。私も平山蘆江の名は、和田誠の「怖がる人々」の一編「火焔つつじ」の原作者としてしか知らなかったのだが。名品ぞろいの傑作怪談集だ。
■「怪談青眉毛」「二十六夜待」「火焔つつじ」「鈴鹿峠の雨」「悪業地蔵」「縛られ塚」「うら二階」など、岡本綺堂の名作に匹敵する怪異小説が揃っている。文体とか怪異描写には、岡本綺堂に一歩譲る部分があると思うが、江戸や明治といった時代がかった作品世界のせいもあり、なんとも比類のない作品世界を確立しており、文芸としての味わいも楽しめる。個人的には「怪談青眉毛」の印象が強烈だ。