THE KARATE KID
2010 スコープサイズ 140分
Tジョイ京都
■日本語吹き替え版のDLP上映で鑑賞。画質はフィルム上映と区別がつかないが、字幕の入るカットだけが劣化しているのは、何だろう?
■主役のジェイデン・スミスの態度のデカサに閉口するものの、非常によくできたスポコン映画で、140分は多少長い気はするが、ほとんど文句の無い痛快娯楽映画だ。
■敵役のカンフー教室の子供たちが師匠に命ぜられるまま、卑怯な攻撃を仕掛ける場面でも、大人に踊らされている敵役の子供たちの哀しげな泣き出しそうな表情を丁寧に点描して、ラストの感動的な反転に進める演出、編集は秀逸だ。ジェームズ・ホーナー節も全開で、感動スコアと興奮スコアで、ぐいぐい盛り上げる。
■主人公と少女のロマンスを中国の影絵をモチーフとして描き出したラブシーンも巧いし、影絵のモチーフが師弟の間にも展開するというのも、よく考えた。家族を亡くした過去の記憶に沈む師匠を、弟子の少年が訓練に誘いながら鼓舞するという感動的で美しい場面を生み出している。
■ジャッキー・チェン自身はあまりアクションを見せず、あくまでジェイデン・スミスの引き立て役に徹するのだが、その存在感はイーストウッドと同等のものだ。