告白  ★★★

告白
2010 ヴィスタサイズ 106分
ユナイテッドシネマ大津(SC6)
原作■湊かなえ 脚本■中島哲也
撮影■阿藤正一、尾澤篤史 照明■高倉進
美術■桑島十和子
ヴィジュアルエフェクツスーパーバイザー■柳川瀬雅英 CGディレクター■増尾隆幸
監督■中島哲也

■幼い一人娘を教え子に殺された女教師の残酷な復習劇の幕が上がる・・・

■話題の連作短編集を映画化した東宝映画。物語そのものはひどく残酷で凄惨でえげつないものだが、監督が中島哲也だけあって、リアル志向な劇映画ではなく、ポップでグラフィカルなライト感覚な映像表現で心地よくまとめている。東宝が配給する映画なので、流血シーンも少なく無いものの、美的な映像表現で統一されており、グロテスクな映像表現は控えられている。その意味では、安心して楽しめる娯楽映画である。

■原作は未読ながら、かなり原作に忠実な構成と思われ、事件の関係者の告白で構成されている。いっそのこと、換骨奪胎して、もうすこしリアルなストーリーラインに再構成する手法もあったはずで、そのほうが、松たか子演じるヒロインの復讐鬼としての恐ろしさと哀しみ、犯人の少年たちの囚われ状況を心的リアリティとして打ち出すことができただろうが、そこは明るく楽しい東宝映画なので、キッチュな映像美で甘口にすることになったのだろう。

■それでも「霧の旗」の倍賞千恵子山口百恵を思わせる松たか子の暗い情念には惹かれるものがあるし、ビデオ撮影を感じさせない映像処理はさすがに技術水準の高さを感じさせて贅沢なものだが、あまりにえげつない趣向がてんこ盛りなので、クライマックスはもう既に食傷気味。どちらかといえば、最近流行の拷問系ホラー映画の気配も感じられるほどだが、結局最後は意外に呆気ない趣向で、さらに悪いことに日本映画ならではの母恋物語の愁嘆場が延々と展開し、映画的には大いに瑕になっている。クライマックスのVFX大放出も、正直いらない。まあ、東宝映画だからと考えるべきなのかもしれないが、脚本をもう少し考えるべきだったろう。単純にプロの脚本家と組むべきだと思うぞ。

■製作は東宝博報堂DYメディアパートナーズフェイス・ワンダワークス、リクリほか、制作は東宝映像制作部、リクリ。

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