プリンセスと魔法のキス  ★★★☆

THE PRINCESS AND THE FROG
2010 ヴィスタサイズ 97分
ユナイテッドシネマ大津(SC1)

プリンセスと魔法のキス
■吹替え版しか上映していなかったのだが、あとでやっぱり字幕版で観るべきだったと後悔した。日本語吹替え版のキャストもちゃんと歌の唄える人(ミュージカルだから当然だが)を揃えてレベルは高いと思うが、それでもママ・オーディのナンバーは黒人キャストの歌声で無いと説得力が違うだろう。
■予告編などでは女の子向けに甘いロマンス風のガセネタ(?)を流しているが、実際はヒロインは劇中の半分以上をカエルの姿で過ごし、ニュー・オーリンズの広大な湿地帯を、魔法を解くことができるママ・オーディを求めて、ワニやホタルとともに旅するという、ディズニー王道の動物擬人化アニメなのだ。
ニュー・オーリンズが舞台なのでジャズとブードゥーの呪術が重要な役割を担うが、このあたりの素材の揃え方は三大噺風の作劇とはいえ、さすがに工夫が凝らしてあり、それぞれのキャラクターが収まるべきところに収まってゆくところに、説得力がある。正直、カエルキャラの描き方には、カエル好きの観点から見ると、カエルらしい可愛らしさに欠けるところが大だと思うのだが、逆にカエル嫌いの人にとっては、可愛く見えるのか、グロテスクに見えるのだろうか?
■観客の涙腺を集中砲火で陥落させるホタルのレイというキャラクターは、ちょっと卑怯な演出だと思うが、素晴らしい小さな奇跡を見せてくれる。お話自体は非常に政治的かつメッセージ性の強いもので、さすがによく練られた脚本だ。

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