キングコングの逆襲 ★★★

キングコングの逆襲
1967 スコープサイズ 104分
DVD
脚本■馬淵薫
撮影■小泉一 照明■高島利雄
美術■北猛夫 音楽■伊福部昭
特技監督円谷英二 監督■本多猪四郎

■とにかく開放的で、ごまかしの無いミニチュアワークの粋に圧倒される。特に、海上場面の描写や、モンド島でのキングコング捕獲作戦のあたりの自信たっぷりの演出ぶりは凄い。何しろ、特技監督の目の前には、スケール感豊かなミニチュア世界が現に存在しているわけだから、どこからどう撮っても世界観は揺るがないという自信が、演出に自由を与えている。中でも、コング捕獲作戦の件は、ミニチュア空間の自然な立体感を生かして、怪獣のいる世界観を鷲づかみにしている。実際の現場では有川貞昌がかなりの部分を演出指揮したのではないかという気もする。

■ドラマ的には宝田明の主役としての位置づけが曖昧で、ドクター・フーも後半はやけっぱちで投げやりなキャラクターに変貌してしまっていたり、かなり杜撰なものだが、こうした素材には本来関沢新一が適任なのに、何故馬淵薫にお鉢が回ったのか。単にローテーションということか。


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