2012
2009 スコープサイズ 158分
ユナイテッドシネマ大津
■ローランド・エメリッヒによる「世界沈没」のスペクタクル絵巻。いまさらCG映像に驚きは感じまいと舐めていたが、中盤の米国西海岸の崩壊シーンの凄まじさには、感心を通り過ぎて笑ってしまった。これは凄まじいものだ。CGの質感、大地や建物の崩壊プロセスのシミュレーションのリアリティは、もう凄いですよ。これは映画館で観ないと意味が無い。IMAXで観られれば、なお良し。
■残念ながら作劇としてはあまり褒めるところが無く、158分は長すぎる。特に終盤の方舟の周辺及び中でのサスペンスはありきたりで退屈。インド人が世界終末の前兆を発見し、中国人が人海戦術で巨大な方舟を建造するという設定に、ハリウッド映画のマーケット戦略的目配せが顕著で、そのほかにも細部の設定を観てゆくと、裏目読みをすることができる楽しみはあるのだが、ドラマとしての面白みに欠けるのは残念。
■しかし、「日本沈没」で描かれるべき大破壊のスペクタクルを真正面から正々堂々と描き切った力技には脱帽する。でも、VFXの最大の見せ場は、西海岸崩壊の部分なので、見せ場としては尻すぼみになってゆくのはダメだよね。