ブラジル ★★★

ブラジル
ミッドナイトステージ館 演劇はいま NHK BS2
2009年 紀伊國屋ホール ラッパ座公演
作・演出■鈴木聡
出演■福本伸一、弘中麻紀、岩橋道子、おかやまはじめ、木村靖司、中野順一朗、三鴨絵里子

ユングのいわゆる”中年の危機”を描いた舞台劇で、前半は今ひとつ胸に迫るものが無かったのだが、中年オヤジが胃に不調があるため人間ドックで精密検査を指摘され、胃がんの恐怖に苛まれていることを告白するあたりから俄然調子が出てきて、というか観ているこちらの感情移入が一気に昂進し、他の中年カップルたちも、抑圧してきた人生の問題を赤裸々に語り始める。その様は、山田太一の傑作テレビドラマを観るようだ。
■「千葉の海辺のペンションを舞台に、中年になった元大学のボサノバ・サークルの同窓旅行をほろ苦く描く鈴木 聡さんの同時代演劇です。」(NHKのHP)ということで、仲間内で不倫もあれば、仲間内での離婚、再婚話もあり、ブラジルに音楽修行に出かけて生き直そうとする者もあり、それぞれの40歳前後(明らかに老け過ぎている方も・・・)の足掻きが面白おかしく切実に描かれる。難解なところは全く無く、確実にとっつきやすい芝居である。おかやまはじめはテレビでもおなじみだが、三鴨絵里子という女優が傑出した個性と実力を見せる。