バンテージ・ポイント ★★★

VANTAGE POINT
2008 スコープサイズ 90分
DVD

■いわゆる意外な拾い物と呼ばれる小品サスペンス（とはいいながら相当金はかかっている）で、決して退屈はさせないが、それ以上のものも無い。アメリカ大統領狙撃と後に続く爆破事件を、事件に関わった人々の視点から何度も描いてみせ、彼らの関係と事件の真相が徐々に明かされるというサスペンスが本作の眼目だが、特に意外な真相でも無く、単に流行の作風といたレベルに止まる。
■クライマックスのカースタントもポール・グリーングラスの模倣なのだが、この個人的にはこのスタイルは嫌いだ。別に、わざわざこんな凝った（というか、捻った）スタイルをとらずとも、主演のデニス・クエイドを普通に主演に据えて、ドラマを彫っていけばオーソドックスなアクション映画になっただろう。それではあまりに平凡なので、話法だけ工夫しましたという形だ。見た目だけの奇抜さなどいらんのだよ。