攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man ★★★

■テレビアニメシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」全26話から「笑い男」事件に関するエピソードをダイジェストしたOVA。実に160分強の長尺だが、一気に観てしまった。監督、脚本は神山健治
■しかし、キャラクターとして最も完成度が高かったのは、タチコマというクモをモチーフとしたロボットの3DCGアニメだ。テレビシリーズの第2話「暴走の証明」も観て驚いたのは、暴走する多脚ロボットとタチコマのアクションの素晴らしさだったが、このエピソードは平成14年度文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門優秀賞を受賞していたらしい。初めて知ったよ。2002年の時点の技術水準がよくわかる。一方で、車両がすべて3DCGなのだが、こちらの質感は明らかに低く、車体はつや消しでしか表現できないので、非常に違和感がある。
■あくまでダイジェスト版なので、事件の真相、背景等が十分に飲み込めないところもあるが、グリコ森永事件や丸山ワクチン事件など、現実に起こった事件を積極的に巧みに織り込んだ物語の構築には感心した。いまどき、こんなにハードなドラマをテレビで成立させることは、普通のルートでは不可能だろう。本作も、商売上はテレビ放送はあくまで宣伝で、DVDの販売こそが主目的であり、事実、内容的に問題ありとして3本も地上波放送が見送られているらしい。どうせ深夜放送だから誰も文句など言わないだろうということだ。ある意味正しいとも言えるが。
■ただ、神山健治の監督としての色あいはまだよく分からない。樋口真嗣が「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の画コンテを描くときに、神山健治の「攻殻機動隊」のコンテを参考にしたそうだ。

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