ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(EVANGELION:1.11) ★★★☆

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [DVD]
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11)
2006 ヴィスタサイズ ?分
DVD
脚本■庵野秀明
新作画コンテ■樋口真嗣京田知己 総作画監督■鈴木俊二
監督■摩砂雪鶴巻和哉 音楽■鷺巣詩郎
総監督■庵野秀明

■劇場公開版に追加カット、カット修正を施し、デジタル原版からダイレクトにDVD化した、ヴァージョン1.11と呼ばれるもの。ナイトシーンでちゃんと夜空とエヴァが分離されたので、非常に見やすい。デジタル撮影でディフュージョンがかなりかけられているが、ポジフィルム原版から起こされたヴァージョン1.01と比較すると、その効果は大分薄くなっているのでデジタル的な画作りになっているが、そのほうが、テレビディスプレイでは素直に見やすい。1.01はコントラストを弱くして、昔のモノクロ映画のように黒味が白に墨汁のように滲む様な画調をわざと作っていたようで、それはデジタル制作によるアニメの輪郭や色彩の鮮明すぎるのを嫌ったのだろうと解釈していたのだが、劇場のスクリーンでなく、家庭で鑑賞するにはもっとデジタル的なくっきり感が求められるという判断だろう。
■人類は知恵の実を食べ、使徒は命の実を食べた存在だというゲンドウの重要な台詞が復活しているが、劇場公開版からカットしたということは、今後の物語の展開にはあまり影響がないと判断したのだろう。というか、今回の劇場版も制作の舞台裏を垣間見ると、整然とシリーズ構成が行われたわけではなさそうなので、「Q」以降はまた大きな破綻を見せるのだろうと覚悟しておくことにしよう。実際、「破」の終盤はすでについていけませんが。
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