- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2005/09/07
- メディア: DVD
■ハワイの情景を描くのに、伝統的な水彩方式を採用するにあたって、昔のディズニースタッフに教えを請いに行ったりするあたりも非常に興味深いが、もっとも大きなトピックはラストシーンの設定変更だろう。その原因は9.11テロ。スティッチがジャンボジェットをハイジャックして、異星人の追っ手に立ち向かうという場面で、巨大なジャンボ機がハワイのホテル街のビルの谷間を機体を傾けながらすり抜けるというアクロバット的なアクション場面があり、その映像も収録されている。アニメ映像としては傑作といえる迫力とスリルは圧巻で、ギャグも効いているので、確かにもったいないわけだが、事件のほとぼりが冷めれば公開できる日も来るだろうと涙を呑んでカット、差し替えとなったものだ。
■監督のディーン・デュボアとクリス・サンダースの個性の対比も興味深く、ディズニーアニメの脚本作りの一端も垣間見ることができる。カットされたシーンは、原画(彩色もされていない線画ですよ)でアニメーションを作って、動画にしてみせてくれる趣向もサービス満点だ。