中村登の「古都」にソルの「魔笛の主題による変奏曲」が使用されているよ

■何を今更という誹りを受けるかもしれないが、1963年の松竹映画「古都」(監督・中村登)は当然京都ロケで撮影された純然たる”京都映画”だが、その劇伴として、実相寺の「京都買います」で使用されたことで名高いソルの「魔笛の主題による変奏曲」が既に使用されていることを初めて知った。といっても、今のところ予告編を観ただけなのだが、本編でも使用されているらしい。予告編はほとんど全編にわたって使用されており、成島東一郎の様式的なキャメラに、非常にマッチしている。「古都」は松竹映画の大作で、岩下志麻の代表作でもあり、多くの映画人、テレビ人も観ていたはずで、「怪奇大作戦」の頃には、既に京都といえばソルの魔笛だよねという共通了解があったのかもしれない。「京都買います」のイメージの源泉のひとつが、意外な松竹映画にあったことは、軽い驚きだった。というか、「古都」観たいよ。
エヴァンゲリオンの一挙放映が終わったが、最終の2話は聞きしに勝る怪作で、とんでもない茶番劇。監督の精神状態がヤバいことになっていたことを伺わせるに十分だ。この決着は旧映画版でつけられることになるのだが、それもまた監督の精神的なバランスを欠いたデリケートな状態を反映した陰惨なものになった、らしい。4/5くらいまでは非常にええ感じで、実際ビジュアルなカッコ良さも折り紙つきなのだが、ほんとに残念な結果だよ。今度の新劇場版も既に「破」の終盤で大丈夫か??という心配な状態なので、安心はできない。

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