『ロマンポルノと実録やくざ映画―禁じられた70年代日本映画』

■まあ、特に優れた著作というわけではないが、並べられた映画のタイトルだけで単純に70年代日本映画の全体像が俯瞰できるので、便利であると同時に懐かしくもあり、ああ、まだまだこんなに観ていない映画があるぞと、もっと頑張ろうと思わさせられる本。著者は2年年長なのだが、なんで70年代前半の邦画をリアルタイムに観ているのであろうか??都会の子供は早熟ってことか。というか、家の近所に映画館なんてなかった田舎者ですよ。

■ちなみにこの件は、おなじみ(?)「三一十四四二三劇場」掲示板のなかで『樋口尚文『超早熟』の謎』として言及されており、やっぱり不自然だよなという気がする。まあ、それくらい早熟でないと大手広告代理店には入れないということだろう(?)

■しかし、70年代の代表選手、神代辰巳とか藤田敏八のぐだぐだしたテンポが性に合わないので、一番観たいのは山根成之だったりする。「パーマネント・ブルー 真夏の恋」「さらば夏の光よ」「突然、嵐のように」といった青春映画の傑作が何故かDVD化されていないのは何故なのか。というか、頼むからDVD出してくれよ。自分にとっては増村保造の映画とともに、映画原体験となる諸作なのだ。(もちろん、テレビで観たのだが)

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