VICKY CRISTINA BARCELONA
2009 ヴィスタサイズ 96分
MOVIX京都
■夏休みにバルセロナを訪れた2人のアメリカ娘が現地のセクシーな芸術家にナンパされるが・・・
■ウッディ・アレンがスペイン資本で撮った軽いスケッチ風の小品。夏休みのバカンス感覚でスペイン観光映画を撮りあげている。ドラマ的には、コメディでもないし、重いテーマも無いし、特に優れた着想があるわけでもないが、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルスの過激な腐れ縁コンビにスカーレット・ヨハンソンとレベッカ・ホールが絡むだけで、えもいわれぬ愉しさが香りたつ。そこは、ウッディ・アレンのことなので、安心して身を委ねることができる。
■いかにもスペイン風の色使いと軽妙なキャメラワークが清々しいハビエル・アギーレサロベの撮影も良好だし、本作はなんといっても楽曲の愉しさが際立っている。サントラ欲しい。スカーレット・ヨハンソンの金髪にはバッチリ照明が当たり、常にきらきら、ふわふわと輝いているのも良いね。役柄としては少々軽めだが、スカーレット・ヨハンソンに対するラブは抜かりが無い。今回はスカーレット・ヨハンソンよりもレベッカ・ホールの方が役得なのだが。
■しかし、ペネロペ・クルスの役柄は気性の激しいスペイン女というよりも、明らかにパーソナリティ障害であり、そんなカップルの常軌を逸した濃厚な人間関係に、結局はアメリカンな私たちには到底ついていけませんわ、は、さいならぁ、というお話なので、スペインの出資者は本当にこれで納得したのだろうか?