サド侯爵夫人 ★★★

サド侯爵夫人
NHK BS2
2005 東京国立博物館
作■三島由紀夫、美術■秋山正、照明■石井幹子、ヘアメイク■伊藤五郎、衣装■コシノジュンコ、演出■岸田良二
出演■新妻聖子(ルネ)、剣幸(モントルイユ夫人)、佐古真弓、福井裕子、椿真由美(サン・フォン伯爵夫人)、米山奈穂

■特にメアメイクと衣装の奇抜さが印象的で、というかそこばかりに目がいってしまうのはどうかと思うが、役者たちが単純に膨大で装飾過剰な台詞をこなしているのに感動する。
■さすがに宝塚仕込だけあって剣幸の上手さは圧巻だが、特に主役の新妻聖子の熱演は凄い。若手実力派の面目躍如といったところで、得意の歌がないものの、見事に台詞劇をこなしている。それに比べると、椿真由美は重要な役なのだが何故か台詞を噛みまくって不調気味。
三島由紀夫によるマルキ・ド・サド論という演劇だが、牢獄に幽閉されたはずのサドが、実は逆に世界を幽閉し返していたという発見に至る逆転劇は、それだけで単純に楽しい。この舞台中継は、近年のハイビジョン中継に比べると、映像、音響ともに今ひとつで、中継技術的には残念な感じだ。

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