長髪大怪獣ゲハラ ★★★

長髪大怪獣ゲハラ
2009 スタンダードサイズ 15分
NHK総合録画
製作総指揮■樋口真嗣 企画・脚本■みうらじゅん 原案■根本真弥
撮影監督■村川聡 本編照明■内堀定通
美術■稲付正人 編集■佐藤敦紀
音楽■伊福部昭 造形■藤原鶴声
監督■田口清隆

■NHKの「テレ遊びパフォー!」なる番組の中で、みうらじゅんの発案で製作された短編映画。円谷プロのテレビ特撮レベルであれば上出来だろうと思っていたが、なんのなんの特撮映像の品質は堂々たる映画レベル。さすがは樋口真嗣が製作総指揮にあたり、平成ガメラの特撮スタッフが終結しただけの意味がある真っ向からのお遊び映画である。

■撮影が村川聡なので、ナイトシーンは絞った照明の中に、必要なディテールを浮かび上がらせ、完全に平成ガメラテイストのリアル志向。監督はデジタルエフェクトの専門家である田口清隆だが、明らかに平成ガメラ特撮の後継者であり、樋口真嗣の画作りを素直に継承している。特にこだわりの臨場感演出は徹底しており、手持ちカメラの振動にミニチュア撮影の映像をマッチムーブした映像は「クローバー・フィールド」調だが、もともと自主制作映画「G」で試みられていたようなので、誰しも考えることは一緒ということか。視覚効果のクレジットはないので、VFXは監督が自分自身で制作したのではないか。

■長髪大怪獣という、まるで妖怪のような不気味な黒い塊を夜景の中にうかびあがらせる映像設計も見事で、素直に感動する。音楽は伊福部昭の既成の楽曲を使用しているが、超兵器(冗談兵器?)フージンの登場シーンなど、名場面といってもいいハマり方で、凄い。

■末尾には「ゲハラ完結篇怪獣戒厳令」の予告編まで登場し、イケイケの高揚感を感じさせるが、この部分は、まんま「G2」の予告編のテイスト。それもそのはず、編集は「G2」の傑作予告編を手掛けた佐藤敦紀、その人ですよ。

■正直、日本映画に怪獣映画というジャンルが堂々と復活する可能性は低いと思うが、こういうものを見せられると、ついつい悪い虫が疼いてしまう。


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