日米開戦と東條英機 あの戦争はなんだったのか ★★★

日米開戦と東條英機 あの戦争は何だったのか
2008 スタンダードサイズ ?分
毎日放送録画
オリジナルテキスト■保阪正康 脚本■池端俊策
プロデューサー■八木康夫、堤 慶太、那須田 淳
演出■鴨下信一

■日米開戦が決定されるまでの政治的駆け引き、外交交渉などを再現ドラマで描く、TBSの特番。4時間以上の番組の前半はドキュメンタリーで、後半が再現ドラマ。だが、ドラマ部分にも時折取材映像が盛り込まれるという構成。演出はTBSの役員でもある重鎮演出家鴨下信一。随分久しぶりのドラマ演出で、セットの使い方、フラットな照明など、東芝日曜劇場のムードそのまま。懐かしくてほろりとしたよ。
東條英機ビートたけしが演じるが、これはそっくり度では、むしろイッセー尾形が演じたほうが嵌るだろう。いっそのこと、昭和天皇一人二役でやれば、画期的だったろう。ただ、本作の野村萬斎昭和天皇はいい配役。またまた萬斎がユニークな人間像を創り上げてしまった。この部分は傑作といってもいいだろう。市川団十郎山本五十六も同様に軍人らしさに説得力があり、伝統芸能の底力を見せ付ける。意外だったのは武藤章役の高橋克実で、日本映画全盛期の実力派脇役に匹敵するキレのある演技で的確な助演ぶり。
■ドラマとしては、(なぜか)徳富蘇峰(西田敏之)を狂言回しに大本営政府連絡会議の舞台裏での東條英機と石井秋穂(阿部寛)の対立をクライマックスにしているが、特に傑作とはいえない。今年多く作られた太平洋戦争の記憶を掘り起こすスペシャルドラマのなかでは、TBSの激動の昭和シリーズは日本テレビのドラマ路線に一歩譲る。「東京大空襲」「霧の火」ともに佳作だった。報道、ドラマともにTBSの地盤沈下は著しい。今や、TBSの良心はラジオに移行したらしいからね。

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