忠臣蔵 音無しの剣
2008 ヴィスタサイズ ?分
テレビ朝日録画
脚本■宮川一郎
撮影■朝倉義人 照明■赤松均
美術■吉田孝 VFX■北昌規
音楽■大島ミチル
監督■橋本一
■先日亡くなった宮川一郎の脚本によるスペシャル時代劇だが、見るからに製作費の少なさが透けて見えて、寂しいことこのうえない。田村正和が”逃がしの御前”と呼ばれる素浪人を演じて、橋本一のメリハリの効いた演出でチャンバラシーンも冴えていただけに、全体に漂う貧乏臭さが惜しまれる。端的にいうと、美術ははじめから貧乏なのはどうしようもないので、撮影と照明に工夫が足りないのだ。キャメラは東映の人ではないようだ。
■田村正和、梶芽衣子、宇津井健、西田健、西村雅彦、小林稔侍、橋爪巧、原田龍二、松重豊といった結構豪華な配役だが、美術セットは「茶々」からの流用も含めて少なめで、オープンに組んだ舟茶屋にはこだわりが感じられるが、川の水の色味からして十分に映像的にコントロールされていないし、映画村のオープンを使った場面など、木材の材質の質感が薄っぺらくて困るのは、やはり撮影に難ありだ。