三本木農業高校 馬術部 ★★★

三本木農業高校 馬術
2008 ヴィスタサイズ 117分
TOHOシネマズ二条(PSC)
原案■橘内美佳 脚本■岡田茂佐々部清
撮影■坂江正明 照明■守利賢一
美術■若松孝市 メインテーマ■押尾コータロー
VFX制作■オムニバス・ジャパン
監督■佐々部清

■特に傑作と言うわけではないが、佐々部清が監督なので、十分に水準作といえる。動物映画の一種だが、単に動物かわいさの映画ではなく、障害をもつ馬と女子高生が心を通わせあう様子が丁寧に描かれている。日本映画らしい自然描写と季節描写(絵葉書的ともいえるが)がヒロインの心の成長に寄り添いながら描かれてゆく。VEとかHDがクレジットされているから、デジタルビデオ撮影の可能性がある(セカンドユニットだけかも)が、プリントの状態は許容範囲内で、発色にも不自然さは少ない。特に優れた撮影とまではいえないが、平均的な普通にフィルム撮影した映画に見える。

柳葉敏郎の配役はあまりに定番過ぎて面白みが無いのだが、主演の長渕文音は初々しさというよりも妙な貫禄を感じさせる。若い頃の高岡早紀に似ている。こうした映画はハリウッド映画ではよくあるのだが、日本映画では動物が可愛いだけの映画になりがちでちょっと心配したが、佐々部清だけあって、少女の成長のドラマと動物のドラマ、そして動物に様々な思いを託す人間達のドラマがバランスよく配置されている。

■製作は東北新社バンダイビジュアルほか、制作は東北新社クリエイツ、シネムーブ、配給は東映。しかし、東映映画には見えないな。

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