BS2 ミッドナイトステージ館 2008
作■後藤ひろひと 演出■G2
■この秋公開の「パコと魔法の絵本」の原作舞台がNHKに登場。正直、地方在住者には助かりますわあ。現代演劇のなかでは通俗的に分かり易い作品で、笑わせて泣かせる、大衆演劇的な志向を備えている。まあ、ファンタジーと呼ぶべきなのだろうが。
■テレビドラマ的なメランコリックな音楽が多用され、演出面でも分かりやすさが強調される。そのなかで、主演の吉田鋼太郎の渋い発声や、山内圭哉の的確なコメディ要素が生き生きと打ち出される。なかでも泣かせるのが、自殺志向の元子役の男を男勝りの看護士が立ち直らせる場面で、新妻聖子という女優が抜群の演技を見せる。なんでもミュージカル女優として有名な実力派らしい。そういえば、山内圭哉という人、確実に以前に見たことがあるのだが、どこで観たのかが思い出せないなあ。
■オーバーアクトが目立つのが月船さららという人だが、調べてみると宝塚の男役出身の美人女優である。役柄としてはコメディ要員だが、もう少し力の入れ方に工夫が必要だろう。
■春風亭昇太は全体に他のキャストから浮き上がって見えるのだが、これは演出意図ということだろうか。