ベルサイユのばら ★★☆

LADY OSCAR
1979 ヴィスタサイズ 124分
滋賀会館大ホール

ベルサイユのばら [DVD]
■原作の漫画もアニメも全く知らないのだが、宝塚の歌劇は是非観たいので、その予習の意味を込めて鑑賞。山本又一郎製作による、フランスで撮影された英語映画だ。フランス革命が勃発し、バスチーユ監獄陥落、そしてアンドレは兵士の銃弾に倒れ、オスカルはアンドレの名を呼びながらも革命に狂喜する群集の波に消えてゆく・・・
■オスカルを演じたカトリオーナ・マッコールはお人形のような綺麗さが身上で、男装の麗人というコンセプトがフランス人スタッフには十分に理解されていないようだ。チャンバラシーンもあるが、アクションにもあまり冴えがなく、特にカッコよくは無い。オスカル、アンドレ、フェルゼンの三角関係も十分に描かれず、むしろマリー・アントワネットのバカっぷりのほうが印象に残る脚本はバランスを欠いているだろう。カトリオーナ・マッコールのトップレスの場面もあるのだが、誰に対するサービスなのか?
■ただ、キャメラは流麗で決して貧乏くさくはないのだが、ラストの革命のモッブシーンは意外にスケールが小さいので、腰砕けの印象だ。監督は巨匠ジャック・ドゥミだが、ほかの映画を見ていないので、どういう傾向の人なのかは不明だ。
■日本人としては、革命をモチーフにしているのだがら、もっと劇的に盛り上がってもらわないと、困るのだが、案外フランスのスタッフにとってはフランス革命なんて、すでに昔話、歴史の一齣でしかなく、別段ロマンを仮託する対象とはなりえないということなのかもしれない。

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