サイレントヒル ★★★

SILENT HILL
2006 スコープサイズ 126分
DVD

■”サイレントヒル”と呟いて姿を消した娘を探して、打ち続く地下火災のため遺棄されたゴーストタウンに踏み込んだ母親は、この世ともあの世ともつかない幻想世界のなかで異形の者たちに遭遇する・・・
■監督のクリストフ・ガンズは違いの分かるいいホラー監督だが、DVDを観る人は気を付けよう。あまりに音がうるさいので！ほんとに勘弁してほしいのだけれど、音楽や効果音が急に大きくなるのは、劇的効果とは感じられず、単に生理的に不愉快なのだよ。その意味では、シネコンで観なくて正解だった。TOHOシネマズなんかで見た日にゃ、難聴になったことだろう。いかにも若い観客向けの音響設計ですよ。
■約２時間という長丁場なのだが、ドラマ的には中途半端な印象で、あまり褒められたものではないが、クリストフ・ガンズの卓抜した映像センスでひたすら引っ張る。悪魔的な幻想世界の映像表現と美的にグロテスクなクリーチャーたちは一見の価値がある。デジタルエフェクトの嵐なのだが、DVDで見たところ、DI作業のおかげで画調の統一感は立派なものだ。ただ、DIによる人工的な映像の統一性は見ていて疲れる。
■まあ、原作がゲームということで、作劇的に正統派のドラマとしてまとめるつもりがそもそも無かったのだろう。「トワイライトゾーン」のようなラストは余韻が残り素敵なのだが、続編への布石と考えれば興ざめだ。