オーディオ事始(2)

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これが当時の製品カタログです!

■オーディオ入門というキーワードでここに漂着されるお客さんもあるようなので、オーディオ関係の記事もアップしておこう。前回は、アンプが決まり、小型スピーカーの候補が浮上してきたところで終わったわけで、今回はスピーカー選びの話。

■回りくどい言い方をしていても埒が明かないので、ここではっきりさせよう。結果的に購入したのは、DENONのCX101というコンパクトな、本格オーディオ入門という位置づけのスピーカーだ。定価は72,000円位するが、実売的にはうまくすると45,000円程度で買えてしまうという、コストパフォーマンスの高い商品だ。

ONKYOのCR-D1とDENONのCX101という組み合わせは、値段的にも音の質感的にもなかなか嬉しい組み合わせではないかと思っている。実売価格で考えれば、この組み合わせで8万円程度に納まってしまうのだ。正直なところ、CR-D1のキンキンな高音部などが、スピーカーの組み合わせでどの程度変化するのか不安があったが、結果的には音質はスピーカーに規定される部分が大きいことが実感できた。おそらく、CR-D1はキンキンにクリアな、ある意味で金属的な、解像度の高い音信号をスピーカーに供給しているのだろうが、スピーカーの物理的な反応がその音声信号の角を削いで丸い音調としてしっとりと再現してくれている感じなのだ。

■もともとCX101の音質は暖色で、しっとりした低音寄りの設計になっているが、CR-D1との組み合わせでも、その特質は失っておらず、実に落ち着いた音場を再現してくれる。しかも、これまでのミニコンポに比べると、低音部の沈み込む感じが、全く異次元といった感じで、小さいわりに豊かな音域を実感できる。リアバスレフ式なのでセッティングの影響が大きく、低音部の響きに変な反響が加わることがあるが、これはセッティングの工夫である程度回避可能だろう。

■筐体が小さいので、交響曲のようなスケール感の必要な楽曲はそもそも向いていないのだが、小編成のクラシックなどは、ピッタリという感じだし、JBLの元気一杯のスピーカーなどとは全く傾向は異なるものの、ジャズにも合う。特に女性ボーカルが素晴らしい質感で、これまで埃をかぶっていたカーメン・マクレエの「ブック・オブ・バラード」なんて、CDの録音状態がいいこともあって、瑞々しくしっとりとした生々しい音色が奏でられて吃驚した。おかげですっかり、ジャズボーカルにハマってしまった昨今だ。

■オーディオ初心者の参考のためと、自分自身の備忘のため、電気屋の店頭で聞き比べた際の印象を記録しておこう。価格帯とコンパクトさの点から、以下のようなスピーカーを候補として、電気店のオーディオコーナーを放浪しながら聞き比べたものだ。参考になれば幸甚というのものだ。

  • B&W685
    最後まで悩みに悩んだスピーカー。CX101に比べると、多少高音寄りだが、筐体の大きさで低音も余裕で鳴らし、音像が大きい点が魅力。リアバスレフではなく、前面にバスポートが付いているので、音圧がビンビンと肌で感じられる点も自然な再現で惹かれる。結局、柄が大きすぎると判断してやめたが、CX101を実際に部屋に置いて見ると小さすぎる気がするので、これでも良かったかと反省した。次の機会に再検討したい。
  • B&W686
    上記のコンパクト版だが、さらに高音寄りで、というか低音のボリューム感が乏しく、CX101と聞き比べると、明らかに音域が違う気がした。決して悪くは無いのだが、ソースによっては高音部分がキンキン気味に聞こえた店があったので、躊躇した。最近秋葉原ヨドバシカメラで聞き比べると、上記と案外差が小さい印象だったので、比較さえしなければ十分満足できる音質かもしれない。
  • PIONEER S-A4SPT-VP(多分)
    いわゆるピュアモルトスピーカーだが型式不明で、たまたま聞き比べたもの。女性ボーカルだったが、B&Wに比べると、ボーカルが浮き上がって、前に飛び出す感じ。ONKYOの色合いに近い気がした。非常にクリアな音色で嫌いではないが、演奏とボーカルはもう少し溶け合ったほうがいい気もした。もう少しいろんなジャンルを聞いてみたい気がした。これもコンパクトなので、一般的にはセカンド機として寝室などで使用されるのだろう。今もちょっと気になる一品だ。
  • KEF IQ3
    音楽だけでなく、DVDの音声も再生してしまうのが目的だったので、これも悪くは無い感じだったが、大きさで断念。あまり本格的な聞き比べはできず、ちょっと鳴らしてみた程度なので、詳しくは判らないが、一瞬気が惹かれた。
  • B&W CM1
    これは名機と呼ばれる高級機(?)だが、あまり静かな環境での聞き比べができなかったので真価は確認できなかった。685で十分ではないかという気がした。しかし、非常に評判が高いので、次回にはもっとしっかり聞き込んで見たい。
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