ひと、それを老婆心という

樋口真嗣の新作「隠し砦の三悪人」がもうすぐ公開されるのだが、心配である。そもそも原作映画は黒澤映画のなかでもあまり出来のよい部類ではなく、優れた細部が魅力的なものの、映画としては如何なものかという微妙なもの。中島かずきが脚本を書き直しているのだが、松本潤の冗談としか思えない汚し、爆発する秋月城、そして悪役が椎名桔平という、なんだか新鮮さの感じられない細部の積み重ねが、心配を誘う。この映画、富山省吾が製作にあたる正真正銘東宝映画なのだが、陳腐なアドベンチャー映画にしかならない気がする。特撮監督は神谷誠ではなく尾上克郎
河崎実の新作「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」は特撮担当が特撮研究所だそうで。なぜか河崎実の珍作に根気よく付き合う佛田洋社長だが、何か弱みでも握られているのか?今回は製作費もいつもよりは多めなようなので、擬古的な派手なミニチュアワークを堪能できるのかもしれないが。そういえば三池敏夫特撮研究所に復帰したそうなので、ミニチュアの飾りこみが凄いのではないか、などと生真面目な期待を寄せるナイーブなオタクも少なくないだろうが、河崎実の冗談映画だぞ、とクギを刺しておこう。
■とんだ特撮研究所大活躍の巻でしたよ!

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