■ぼやぼやしているうちに、エントリーがどんどん沈んでいくが、この一作で宝塚歌劇の楽しさに開眼した、個人的には記念碑的作品だよ。
■人間椅子もパノラマ島もなんでもありの江戸川乱歩大全集で、しかも昭和歌謡的な馴染みやすい楽曲の魅力で、黒蜥蜴の”あの戦争さえなければ!”の叫びが、大真面目に訴えかけられる感動作である。なんでも戦争のせいにしてしまうのは昭和30年代くらいの日本の娯楽映画へのオマージュかと思いきや、今日の世界に発するメッセージとして構想されているのだ。凄いぞ。
■あまりの大時代な悲劇に激しく打ちひしがれる明智を登場人物みんながよってかたって歌い上げて励ますラストの趣向も素晴らし過ぎる。問答無用の娯楽作品だ。