ガルーダ ★★☆

GARUDA
2004 ヴィスタサイズ 112分
DVD

ガルーダ DTSスペシャル・エディション [DVD] タイの地下鉄工事現場で発掘され、地下洞窟内で暗躍する神獣ガルーダに対して軍の特殊部隊が、フランス人考古学者の娘を守って死闘を繰り広げる・・・
 タイでミュージッククリップを撮っていたモントン・アラヤンクンの映画監督デビュー作。映像作りには、さすがにアメリカのミュージッククリップの映像スタイルを忠実に模倣して、さすがの達意ぶりを見せるが、やたらとアクション場面でスローモーションを多用し、メリハリに欠けるのは困りものだ。物語自体は90分程度で間に合うはずなので、あとの部分はもっぱらスローモーションでキャメラが動いているのだ。映像スタイルの点では近年の韓国映画に近いかもしれない。アメリカ映画や韓国映画のヒット作、話題作の映像スタイルを果敢に撮りいれながら、タイ風の精神世界や信仰心を盛り込もうとしている。神に対する信仰を守るために異端の神たるはぐれガルーダを抹殺するというユニークなアイディアは悪くないのに、劇中では十分に伝わらない。タイらしさを打ち出そうとする姿勢は買えるが、脚本をもっと練ったほうがいい。
 肝心のガルーダのCGがまだまだ稚拙で、動きもぎこちないし、デザイン的にももっとカッコよくしてほしいところだ。どう見てもガッパだもんね。地下洞窟ににチャオプラヤー川の水が激流となって流入するシーンはミニチュア撮影だが、明らかに下手糞。

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