エビータ ★★★

EVITA
1996 スコープサイズ 135分
DVD


 舞台版と比べると、明らかにホアン・ペロンの存在感が増しており、人間像がかなり描かれ、エヴァ・ペロンとの情愛がしっかり描き込まれている。

 一方で、アントニオ・バンデラス演じるチェなど、映画を観るだけでは何ものかさっぱり判らない。舞台版ではお馴染みのチェ・ゲバラの扮装で登場するのだが、映画では必ずしもチェ・ゲバラとは特定しない方針にしたのだろう。そうなると、観客は混乱するのだが。

 なんといっても中盤の宮殿から国民に向かって”Don't Cry for Me, Argentina”を歌い上げる場面がクライマックスで、さすがに楽曲、歌唱、演出ともに見事で、圧倒的な感動を味わえる。ただ、その後が劇的にも楽曲的にも練度不足で、尻すぼみで終わってしまうのが難だ。

 ついでにサントラCDを1,000円で買ってしまった。が、最大の見せ場の”Don't Cry for Me, Argentina”の場面の収録時間が短いような気がする。ブックレットには英語詩と和訳が載っているので十分にお買い得でした。

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