ラッシュアワー3 ★★★

RUSH HOUR 3
2007 スコープサイズ 100分
TOHOシネマズ二条(SC10)


 凸凹コンビが今度はパリで大活躍、しかも敵役は真田広之工藤夕貴だ。
 しかし、誰がどう見ても、ジャキーの衰えは隠しようが無く、アクション場面は少ない上に難易度も低い。VFXILMが担当し、クライマックスのエッフェル塔の死闘も、ほとんどデジタル合成とCG処理で、侘しいことこの上ない。
 今回のテーマは”兄弟”で、真田広之とジャッキーの因縁と、クリス・タッカーとのブラザー関係がうまく対比させられているのは脚本の工夫が効いているし、真犯人の決着の付け方も、随分乱暴だが、悪くないのに、前作に比べて見劣りがするのは、アクションの質的低下と音楽(といっても歌だが)の使い方に工夫が足りなかったせいだろう。
 真田広之は独特の色気がちゃんと発揮できているので、アクション場面が少なくても役得になっている。正直、「亡国のイージス」なんかやっているより、よほど演技的に充実している。近年の代表作の一本と言って過言ではない。一方、工藤夕貴は、映画デビュー作から見ているので複雑な感じだ。無理してアクションはやらんほうがいいと思うな。”国際派女優”として変な勘違いをしないように、日本の仕事も重視したほうがいいと思うぞ。その点、渡辺謙は偉い。
 そういえば、本作はこれまでに比べてアクション場面の編集単位が細かく、カットが短くなっている。これまで、ブレット・ラトナーの映画は、編集でアクションを誤魔化さずに、割としっかりと見せていたはずだが。

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