クレージー黄金作戦
1967 スコープサイズ 157分
BS2録画
脚本■笠原良三、田波靖男
撮影■内海正治 照明■大野晨一
美術■竹中和雄 音楽■宮川泰、萩原哲晶
監督■坪島孝
ギャンブル好きの坊主（植木等）、傷心の医師（谷啓）が、一攫千金のためにアメリカに渡る。そこに飛行機に同乗した糞尿処理施設視察の国会議員（ハナ肇）が加わり、アメリカですっからかんになった一向は、坊主の発案でラスベガスへ向かう羽目に・・・
東宝創立３５周年記念映画で、クレージー映画の超大作。大作だが決して冗長ではなく、案外よく練られた映画である。古澤憲吾では、この大作は持たなかっただろう。坪島孝の着実な演出とカット割りが成功の鍵だ。
よく見ると、ロケ場面は意外と少なく、駆け足でアメリカロケが行われたようだ。ラスベガスで歌って踊る有名なシーンも、ほとんどのカットを日本で撮っているのではないか。
古澤憲吾のようにやたらと落ち着き無く動き回るキャメラワークではなく、もっと静的なオーソドックスな画面構成が観ていて心地よく、植木等のキャラクターは無責任男そのものを受け継いでいるが、破綻していない。植木等の破天荒なキャラクターが行儀よく写し取られている感じだ。破壊的なエネルギーは無いが、古澤憲吾の創り上げたキャラクター像を巧く使いまわしている。
傑作とは言いがたいが、シリーズ中では良作といえるだろう。
