クレージーの大爆発 ★★☆

クレージーの大爆発 [DVD]クレージーの大爆発
1969 スコープサイズ 83分
BS2録画
脚本■田波靖男
撮影■永井仙吉 照明■金子光男
美術■小川一男 音楽■萩原哲昌
特殊技術 監督■中野昭慶 撮影■真野田陽一 美術■井上泰幸 照明■原文良 合成■松田博
監督■古澤憲吾


 世界中の金を独占した70年代の日本、貯蔵された金塊の奪取を目論む秘密結社GIBは、実行部隊として、3億円事件の犯人をスカウトする。チームを結成した彼は、銀行の金庫に地下トンネルを掘り、金塊強奪に成功するが・・・
 中野昭慶が特撮班の監督デビューしたことで一部で有名な映画だが、やっと観ることが出来た。確かに、監督とクレジットされているから驚く。まだ円谷英二が健在だった頃なので、有川貞昌ではなく、中野昭慶を中心として、円谷英二の手から特撮スタッフを東宝本体に奪い返し、規模縮小しようという東宝首脳部の目論見を透かし見ることができる。といえば、穿ちすぎだろうか。
 GIBの戦闘機を奪取して富士山麓に不時着する場面や、富士山地下で水爆で爆発する場面、ロケットの飛行場面などを担当しており、富士山の噴火(水爆のせいです)をクラウドタンクで表現したり、真俯瞰でナパームを爆裂させたりと、低予算なりに頑張っている。
 映画自体は、美術セットや戦闘機のモックアップなど、予算的にはまだ全盛期のスケールを保っているが、全共闘三億円事件といった時事ネタが空回りして、苦しい。松岡きっこが峰不二子的なヒロインを演じるが、どうもラストが冴えない。GIBのナンバー2(?)を平田昭彦が演じているが、これも最後が呆気ない。

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