レミーのおいしいレストラン ★★★☆

RATATOUILLE
2007 スコープサイズ 120分
ユナイテッドシネマ大津(SC5)


 ブラッド・バード監督によるピクサー最新作。全く子供向けとは思えないハイブロウなドラマで、いくら吹替え版で見ても、子供には意味がわからないだろう。

 ただ、料理人と批評家の対決という構図で、批評家とはこうあるべきという結論を導き出す物語は、普遍性に欠け、映画監督の愚痴にしか聞こえないところがある。しかし、その愚痴を如何に華麗な映像テクニックと音楽で洒落たタッチで描き出すかというところに、本作の名目があり、相変わらず脚本、見せ場作り、カット割り、CGキャラの演技も凄い。息つく暇も無い映像ショーに圧倒されることは確実だ。しかし、ギャグやアクションの奇抜さ、楽曲の個性の強さの点で、「バグズ・ライフ」や「トイ・ストーリー2」には及ばない。あと、主役のレミーがあまり可愛くないというのも、弱点だな。

 日本語吹替え版は、リングイニ役の佐藤隆太が出色。茫洋とした個性を実に巧く演じている。イーゴ役も家弓家正なので、安心して見ていられる。

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